レム睡眠とノンレム睡眠とは

2023年11月10日

皆さんどれぐらいご自身の睡眠が深いかご存じですか?と、聞かれても分かりませんよね。

人は1日の睡眠の中で何度か深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返しながら朝を迎えます。
それがレム睡眠とノンレム睡眠と言われるもので、約90~120分を1周期として変動し、朝の覚醒に向けて徐々に起床の準備を整えていきます。

今日は良く眠れたな、と思える日とそうでない日の違いは実はこのレム睡眠とノンレム睡眠のバランスや睡眠中の回数と関係があるかもしれません。

この深い眠りと浅い眠りについて今日は説明をしたいと思います。
医学博士 睡眠学研究者
白濱 龍太郎 氏
<PROFILE>
日本睡眠学会専門医、医療法人RESM理事長。福井大学医学部 客員准教授。ハーバード大学公衆衛生大学院にて睡眠に関する先端の研究に従事。東京オリンピックでは選手のサポートを行うなど、ビジネスやスポーツ界からの信頼も厚い睡眠のエキスパート。

レム睡眠とは

レム睡眠は、正式名称がRapid Eye Movement Sleep(REM Sleep)と言います。
つまり日本語にすると眼球の急速運動のことで、これが出現する眠りがレム睡眠と定義されます。

レム睡眠は体が休んでいても脳が活発に動いている状態で、日中に得られた情報の整理や記憶への定着を行っている状態です。
様々な情報が脳内で整理されることで、ストレスの解消効果もあると言われています。

眠りが浅い状態で、光や音などで目を覚ましやすい状態です。そして夢を見て、覚えているのもレム睡眠中の夢だと言われています。

これは健康な人をレム睡眠期に覚醒させると約80%の割合で夢を見ていたと話すことから、レム睡眠は夢を見る睡眠段階と考えられています。ただし、ノンレム睡眠の時にもわずかながら夢を見ます。
(参照:e-ヘルスネット, 厚生労働省)

ノンレム睡眠とは

レム睡眠とは対照的に脳と体の両方が休んでいる深い睡眠状態のことをノンレム睡眠と言います。
正式名称は、Non-rapid eye movement sleep(Non-REM sleep)です。

正式名称の通り、眼球運動も穏やかで、深い眠りについている状態です。ノンレム睡眠は、眠りの深さによって3つのステージに分かれています。
そしてもっとも深い眠りの事を徐波睡眠(じょはすいみん)と呼ばれます。

睡眠を開始してから4時間以内に、この徐波睡眠がとれたかどうかが、睡眠の質を大きく左右すると考えられています。

具体的に言いますと、先ほど申した通り約90~120分周期でレムとノンレム睡眠を繰り返しますが、徐波睡眠は最初と2回目のノンレム睡眠のタイミングが一番取りやすいのです。
だから眠り始めて4時間以内の深い眠りが大事なのです。

逆にこの4時間で深い睡眠がとれていない場合、睡眠時間は長くても心と体の疲労が取れきれず、目覚めもすっきりしたものにはならないでしょう。

レム睡眠とノンレム睡眠の理想のバランスとは

レム睡眠とノンレム睡眠の説明で記載したように、我々はこの2つの異なる睡眠の状態を交互に繰り返して眠ります。

まず深いノンレム睡眠に入り、その後レム睡眠に移行し、またノンレム睡眠に入る。
この過程が約90~120分程度を1つのサイクルにして、一晩で4~5回行われるのが理想です。
そして比率としては、全体の約80%がノンレム睡眠、残りの20%がレム睡眠です。

年齢によって必要な睡眠時間は前後しますが、大体このバランスで睡眠をとるためには、睡眠自体の時間も360時間(6時間)~450時間(7時間半)必要となります。

睡眠の質(深さ)も重要ですが、睡眠時間も一定量必要な理由もあるのです。

白濱龍太郎先生によるまとめ

レム睡眠とノンレム睡眠のバランス、そして開始4時間以内に徐波睡眠がとれているかどうかが、目覚めのすっきり度が大きく左右されることを理解いただけたと思います。

睡眠時間は足りているのに、どうもすっきりしない。

そんな人は自律神経が乱れている可能性があります。別のコラムでも記載した通り、自律神経には交感神経と副交感神経があり、朝・昼・夜の過ごし方でしっかりコントロールが出来ます。

ぜひ別コラムでご紹介させていただいたおススメの習慣を1つでも実践していただき、良いバランスの睡眠と朝の目覚めのすっきり度の違いを体感してみてください。

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